| 9月26日のWARUKO |
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| 「金メダリストと三本足にゃんこ」 |
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WARUKOはパラリンピックの新聞記事を読みながら思いました。
パラリンピックの試合も、オリンピックの試合みたいに、もっとテレビでやってくれたらいいのににゃあ……選手達が身体の障害を乗り越えて、一生懸命頑張る姿や輝く笑顔は、健常者のオリンピック選手とはまた違う、心がぶるぶるしちゃうような感動をくれるのににゃあ……。 |
「もしもにゃんこ会のパラリンピックがあったら、きっと、あの子も選手で出てたよね」
「そうだよな。不自由そうに見えても、ちゃんとにゃんこのすばしこさ、持ってたし」
突然、mamaとpapaがそんな話を始めました。
実はね、WARUKOんチの近所に、前足が一本ない、ノラの障害者にゃんこがいたんです。三本の足でぴょこたんぴょこたん歩いてて、健常者にゃんこに比べると、明らかに敏捷さは劣っていました。でもね、そんな障害がありながら、立派に生きてるノラにゃんこに、mamaもpapaもちょっと感動していました。にゃんこ社会も人間社会と一緒で、弱い者いじめをするヤツはいるんです。にゃんこ好き人間が作ってくれた餌場に行っても、最後まで食べるの、意地悪な健常者にゃんこに邪魔されたりするんです。それでもしぶとく生きてたあの子は、ホントに強い。一度でいいから、「偉いね」って頭を撫でてあげて、写真を撮りたかったけど、障害があるにも関わらず、あまりにもすばしこくて、結局撫でてあげることも写真を撮ることもできないまま、あの子の姿を見ることはなくなりました。
きっと、太く短く逞しい、にゃんこ人生を全うしたのでしょう。 |
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あの子に比べると、同じノラにゃんこ出身なのに、健常者にゃんこのWARUKOは本当にぬくぬくの幸せどっぷりです。こんなにぷくぷくになっちゃって、ノラにゃんこ時代の敏捷さ、精悍さは微塵もありません。
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「ちょっと待って、mama!」
WARUKOは突然真剣な顔で言いました。
「WARUKOだって、オリンピック選手とまでは言えないけどね、mamaやpapaには絶対できない、俊敏、敏捷なワザがあるにゃん!」
じゃ、やって見せてと言ったmamaに、WARUKOは続けて言いました。 |
「オリンピックで男子体操が、団体で金メダル獲ったときの実況、覚えてるにゃん!?」
勿論、mamaはあの生中継を観ていて覚えていました。
富田選手が、鉄棒の演技のフィニッシュに見せた、新月面宙返りのときです。
「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」
いやあ、あの実況は、体操ワザとまさにピッタンコで、素晴らしかった!
「それでは、これからWARUKOも、あの実況にピッタリなワザを、お見せするにゃん!」 |
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真剣WARUKOは精神を集中させ、そして本当にやってのけました! あの実況にピッタンコなWARUKOワザ! |
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「伸身の……」
……お! 確かにWARUKOの身体は真っ直ぐ伸びています! |
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「新月面が描く……」
……ウソオ! ホントにWARUKOったら、宙返りするつもり!? (新月面じゃないけど……) |
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「栄光への!」
……おおお! |
「架け橋だぁ!」
……WARUKO、回り切ったぁ! そして着地は決まるか!? |
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ビシィッ! WARUKO直立! 微動だにしない! 十点満点!
「決まったぁ! 金メダル! 金メダルです!」 |
「にゃんてね! ただ写真回転させただけだにゃん!」
と、WARUKOはペロッとベロを出して言いました。
いやあ、でもmamaはやっぱりWARUKOにあげちゃうよぉ! |
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「にゃに?」
突然WARUKOの首にかけられたのは、mamaからの金メダル! |
「いいのかにゃあ……ズルして金メダルにゃんて」
「いいんだよ! WARUKOは世界一かわいいにゃんこなんだから、金メダルくらい、あったり前だにゃん!」とmamaは言いますが……。 |
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「うーん……」とWARUKOは考え込み、そしてやっぱり金メダルを返却することにしました。やっぱりズルして貰う金メダルにゃんて、何の価値もにゃいもん! |
あ、そう言えば。
ねぇねぇ、お薬使って、金メダル獲って、剥奪って言われてるのに返さない、どこぞのお国の選手の方!
スポーツマンがそれでいいんですか?
晴れ舞台で勝ち獲るメダルの輝きは、確かに素晴らしいものです。でも、ズルして獲ったモノは、たとえそのモノが輝いていたとしても、一番大事なものの輝きが曇ってはいませんか?
あなたの心の中の金メダル。凡人には到底成し得ない努力をしてきたという、自負と誇りの金メダル。
一番大事なそれを曇らせちゃうのは、あまりにももったいなくて、悲しいよ。あなたがあそこまで行ったのは、絶対にお薬の力だけではないのだから。
にゃんこフリークなmamaにとっては、このままじゃあなた、ノラにゃんこにも劣ります。
mamaは、曇った金メダリストの記録からよりも、三本足のノラにゃんこの生きざまからの方が、一杯感動、貰ったから。 |
「まったく人間ってやつはしょーもにゃいねぇ……」
WARUKOは突然BLACK WARUKOに変貌し、言いました。 |
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「いっそのこと、お薬オッケーの、ドーピングオリンピックっていうのもやればいいんだにゃん!」
あれまぁ、BLACK入ると、WARUKOは過激です。
しかしながら、お薬先進国では、検査に出ないお薬が開発されてるから、お薬発展途上国の選手ばっかり犠牲になってる、なんて話も聞きますけど……。 |
でもいくら、金メダリストになるならないで、その後の人生が天と地ほど変わるとはいえ、やっぱりお薬やっちゃうのはねぇ……だってお薬の副作用で、健康を損なって、命を削ることにもなりかねないし……どんなに素晴らしい記録が出ようが、そんなの、本末転倒です。
オリンピック選手のみならず、パラリンピック選手にまで、お薬がはびこるのは本当におかしい。パラリンピックというのは、障害者の方達が、健康になる為や、リハビリの一環として、一生懸命スポーツに取り組んだ結果、用意された晴れ舞台なんじゃないの?
メダルの色にこだわり過ぎる、ほんの僅かな選手のせいで、「参加することに意義がある」が死語になってはいけないと思います。
参加するまでの自分との闘いこそが、一番大切ですごいこと、ホントは皆知っているんだから。 |
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