| 4月29日のWARUKO |
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| 「ねらわれたWARUKO家」 |
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WARUKOがテーブルの上で、うとうとと気持ちよ〜く居眠りをしていると、カタカタと聞き慣れない妙な音がしました。 |
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「ん?にゃんだ、この音は……」
WARUKOは起き上がり、音の出所を探してきょろきょろ。 |
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「あ! 高窓だ! 高窓からだにゃん!」
でも今日は丸一日mama達はおでかけだったので、朝からずっと、高窓のカーテンは閉めっぱなしです。
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「カーテン開けてよ! 窓からヘンな音がするにゃん!」と、WARUKOはお風呂上がりのpapaに訴えました。でもpapaは、「はいはい。そろそろネンネの時間だね」と、WARUKOの言うことを全然理解してくれません。
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そして迎えた翌朝。
寝ぼけまなこで高窓のカーテンを開けたpapaはびっくり仰天! |
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「こりゃ一体、ど〜したこったい!」
papaは慌てて外へ飛び出しました。
にゃんとにゃんとにゃにゃにゃにゃにゃあんと! |
窓ガラスに大きなヒビが入っていたのです!
このヒビのせいで、夕べWARUKOの耳は、あのカタカタという、風でガラスが揺れる音を感じ取ったのでした。 |
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WARUKO家のお隣には、わんぱくな小学生の甥っ子が住んでいます。しょっちゅう爆裂元気な友達を連れて来ては、庭中を走り回っているので、papaもmamaも昨日の留守中に、子供達がバットでも振り回しててぶつけたんだろうと思いました。でもどこにもそんな証拠はないし、自腹で直すしかありません。
「ここんとこ、年金だの保険だの、出費が多いのになぁ……」と、ブチブチ言いつつ、papaはガラス屋さんに連絡しました。 |
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一方、WARUKOはガラスのヒビを見つめて考え込んでいました。
「ホントに子供達がやったのかにゃあ……確かに相当やんちゃな子供達だけど、でももしもそんなことしちゃったら、ちゃんと謝りに来ると思うけどにゃあ……子供達じゃないんじゃないかにゃあ」
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このWARUKOの考えは正解でした。
にゃんとガラス屋さんは、ガラスのヒビを見るなり言ったのです。
「こりゃあプロのシワザだよ!泥棒だ!」 |
「どどど、泥棒!?!」
これにはmamaもpapaも唖然呆然です! それにしても、どうしてガラス屋さんは、ヒビを見ただけで泥棒だなんてわかるんでしょう! |
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何とですね、このへこんだメジがその証拠なんだそうです。メジがこんな風にへこんだ状態になるのは、故意にガラスを取り外そうと、マイナスドライバーのようなものを突っ込んだ以外に考えられないそうです。にゃるほど、ヒビが走った先のメジ全てがへこんでいました。でも泥棒は、ガラスを破ろうとしている最中に、人の気配を感じたか何かで、逃げ出したのでしょう。WARUKO家は泥棒に侵入されることなく、被害はガラスだけで済んだのです。 |
「まったくもう、真っ先に子供達を疑うにゃんて、少しは反省したの!?」
WARUKOはmama達を高窓から見下ろし、言いました。
「すみません……」と小さくなったmama達でしたが、突然papaが叫びました。
「あ! 子供がやったんじゃないってことは!」
「ってことは?」
「ってことは、警察に被害届出せば、保険がおりるってことだ!」
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mamaが早速110番すると、すぐに白塗り自転車をキコキコこいで、お巡りさんがやって来ました。
このお巡りさん、五十代のベテランお巡りさんだったんですが、とにかくまぁ、やたらめったらおしゃべりで、とんでもなくおおらかと言うか、ざっくばらんと言うか、あけっぴろげと言うか……
だってね、「犯行現場」を見るなり、近所中に聞こえるような大きな声で言うんですよ。
「こりゃあ、泥棒にとっちゃ、実に仕事しやすい場所だねぇ!」
これにはmamaもpapaもまっつあおです。
確かに「犯行現場」は、WARUKO家と、mama弟家の間の細い通路で、庭木などに遮られ、人目につきません。
「これだけやりやすかったら、きっとまたねらわれちゃうよ!」
お巡りさんの大声がまたまた近所中に響き渡ります。
「お願いですから、もっと小さな声で……」と、mamaは言いたいんだけど、お巡りさんの大声マシンガントークには口を挟む余地がありません。
「あのね、防犯カメラ、つけるといいよ。本物じゃなくていいんだよ。ダミーでいいの、ダミーで! ダミーなら安く売ってるから」
ちょいとお巡りさん……そんなことを大声で……泥棒が聞いてたら意味ないじゃん……。
更にお巡りさんの弾丸トークは続きます。
「それからね、釣り糸作戦もいいんだよ。昔ね、中曽根総理の時代にレーガンさんが来たときにね、宿泊先の周辺が森だったから、お巡りさん達、木と木の間に釣り糸張ったんだよ。そうするとね、悪さしに来ても、釣り糸に足ひっかかって、転んじゃうワケよ。これで大体びっくりして、大抵の悪漢は逃げちゃうの。この作戦はいいよぉ!」
あのね、お巡りさん……ウチの庭には子供達がわんさか来るんです。そんなことして、釣り糸の餌食になるのは、悪漢よりも子供達です……。
そして漸くpapaが、「ところで被害届なんですが……」と、お巡りさんの弾丸トークの隙間をついて言った途端、お巡りさんは更に大きな声で言いました。
「あーーーっ! 持って来るの忘れちゃったよ! ちょっと署に戻るね!」 |
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白塗り自転車にまたがり、キコキコ去って行くお巡りさんを見送りながら、WARUKOは呟きました。
「これがホントのお巡りさんコント……」 |
その後、被害届の書類を持って戻って来たお巡りさんと、かなり相当すごく長いやりとりの末(お巡りさんのおしゃべりのせいなのは言うまでもありません)、何とか被害届を提出、そして無事保険がおりることとなりました。
ふぅ〜〜〜……ほんっとにチかれました……。
でもまぁ、いいんですけどね。「泥棒」なんて気分悪い話が、このユニークなお巡りさんのおかげで、「ちょっとした笑い話」になったし。
だけどね。mamaはずうううっっっっっっと思っていたんです。「犯罪」と言うのは、新聞やニュースで知る、自分の生活範囲からはかけ離れた、うーーーーーんと遠いトコで起きるものなんだって。
それがここ数年、ほんっとに身近で起きてるんです。
ウチから歩いて一分の場所に、子供のほっぺたをツネる女通り魔が出現、ワイドショーのレポーターが来たり、papaが水虫のクスリを買ってた薬局のご主人が強盗殺人事件の被害者になってしまったり、(ご冥福をお祈りします……)mamaがかつて一緒に仕事した人が、少女買春で逮捕されたり。
犯罪がどんどんじわじわ自分に近づいて来てるよぉ! と恐ろしく思っていたときに、とうとう自分トコに来ちゃった泥棒騒ぎでした。
皆さんも気をつけましょうね。泥棒対策には、窓ガラスの内側に透明シートを貼る、昼間でも留守にするときはシャッターを下ろす、などが有効のようです。
あ、だけど「ダミーカメラ」はともかく「釣り糸作戦」は……いくらお巡りさんのオススメでも、WARUKO家では実践を見合わせております。 |
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