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某若者に学生運動の話をしてくれって言われたもんで、
ちょっと書いてみます。
でも絶対、期待はずれのこと書きますので、期待してください。
その昔。機動隊がズラッと学校の周りに並んでて学校に入れてもらえないことがあった。
授業料値上げ反対とか、あとはすっかり忘れたんだが、もろもろの難しそうな問題で学校と揉めててロックアウトされちゃったんだね。
それで俺たちは機動隊戦士の鼻ッ先で、どけよおまえら、入れろよ、おめ〜ら関係ねぇだろ、帰れバ〜カなんて、彼らの目前ほんの5センチ、絶対唾がかかるくらいのところで好き放題罵ってた。
なんでそんなことが出来るかっていうと、彼ら戦士はバッキンガム宮殿の衛兵と同じで、上の指示がなければ、ただジ〜ッとしてるだけなのです。口答えは勿論、動きもしないのです。
だから俺たちは調子に乗って言いたい放題するのです。
でね、俺の友達は日々身体を鍛えている戦士たちに「てめえら街で会ったらタダじゃおかねぇからな、覚えとけよ」なんてすごいことを言っちゃったりするのです。
俺は笑ってしまったんだけどね。だって君、街で会ったらこっちがボコボコにやられるに決まってるじゃないの。
でもそのくらいのこと平気で言っちゃうわけです。
でも、戦士たちは突然ジュラルミンの楯をズドンと俺の足の甲に落としてみたり、後ろを向くと、鉄の安全靴で俺の踵を蹴飛ばしたりするのです。痛いんですよ、これが。先っちょは鉄だし。
何すんだよ!? と言っても、戦士はじっと知らん顔で遠くを見ていました。
学校に入れない俺たちはポカポカ陽気の中、地面に座り込んで、あーでもないこーでもないとだべっていたんだが、何故か突然あたりに緊張感が走ることがあるんですよ。
機動隊の後ろの方にいる装甲車の上に隊長さんが立ってるんだけど、その人の動きがちょっとあやしいなと思って見てると、指揮棒をさっと降り下ろすわけです。
途端! まさに途端、うわあーッと機動隊戦士が一斉に攻めて来るんです。俺たちはとにかく一目散に逃げた。必死だよ。転んだりしたら殺されると思うから。学校の塀を乗り越えたり、民家の庭に逃げ込んで隠れたりするのですが、トロイ奴、足の遅い奴は捕まっちゃうんですよ。塀の上に逃げた俺はそれを見てたんだけど、そいつは友達に誘われてスト組に入ってた気弱な奴なのに、もう袋だたきなんですよ。機動隊戦士もやっぱり俺たちと同じ若者だったわけで、それまでのうっぷんを思い切り晴らすわけです。ほんとにもうみんなでそいつを踏んづけて蹴飛ばすわけです。
やめろよ、てめ〜らなんて塀の上から叫ぶんだけど、そうすると戦士がこっちに向かって猛然と走って来るんです。怖いから俺は塀の反対側におりて逃げるわけですが、やられた奴は地面に転がって動かないわけですね。
……う〜ん、ちょっと待て。
私に学生運動の話を聞かせてくれと言った若者は、こういう話を聞きたかったんだろうか。こんなガキの喧嘩自慢みたいな話でいいのだろうか。でも俺の記憶にはこういう戦いしか残ってないのよね。
何故かっていうと、やっぱり、口角泡を飛ばして日本の政治を、日本の将来を、俺たちの今を酒の肴にしたことより、ずーっとインパクト強いんだもの。権力に対する憎しみは、政策よりも地面に転がってた奴の記憶で培われたとしか言いようがないんだもん。
それでですね、ようやく本題に入るのです。
でも長くなったから、本題は別の日に書きます。
一応、予告編だけは書いておきます。
この間、子供の授業参観に行ったら家庭科の授業で何故かディベートやってるんですよ。
討論のテーマはですね、「カレーライスは最も優秀な料理か!?」
賛成派と反対派に別れて、「お寿司は味が一個ずつだけど、カレーはいろんなのが入ってるからカレーが一番だと思います」なんて、小学校6年生がやってるわけです。
俺としては、こっちの方が全然面白かったわけで、とっても楽しませていただいたんですが、詳細は次回の日記で。乞うご期待です。
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