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1月23日: 武蔵

NHKの大河ドラマ「武蔵」が、「七人の侍」をパクッたと認めた。
そんな簡単に認めていいんですかね。
我々もよくパクる。それを、オマージュと称して堂々とパクる。
「伝説の教師」をやった時は、次々と映画をパクった。
そして堂々とサブタイトルにもその映画の名前を使った。
第1話はまさにブラピの「ファイトクラブ」をパクッて、サブタイトルも
「ファイトクラブ」だった。遊び感覚だよね。
真似しますよってことを逆手に取って作るわけです。
ああいう作品だし、視聴者に楽しんでもらえればいいから。
でもね、大河ドラマは違うんじゃないの?
しかも内緒でやって、ばれちゃったから謝罪するって、どうなの?
カッコ悪いよね。
黒沢作品だからパクッてもいいなんて言ってるようだけど、
ホントにそれでいいの?
黒沢と戦わなくていいの?
私自身、そんな偉そうなこと言えるドラマを作ってるわけじゃないけどさ。
「七人の侍」が作られたのは昭和何年?
我々はああいう映画を土台にしてドラマを作って進歩させて来たんじゃ
ないんですか? また戻るの? 
現在のドラマスタッフとして挑戦しなくていいの?
企画だって、国会を通って、初めて決まるんでしょ?
国会通したからエライってわけじゃないけど、
一応国民的番組なんだしさ。
我々の世代のライターは、大抵、大河ドラマを目指していたわけだ。
かつて。
今の若いライターたちはもう大河ドラマ目指してないよね?
目指してるのは、フジの月9だよ。
そういうことやってるからじゃないの?
NHKは一昨年「聖徳太子」作ったよね。
すごいじゃないですか。
どんな家に住んでて、どんな衣装を着てて、どんな言葉を使っていたか、殆ど歴史を超えた考古学的な世界でも、模索しながら新しいドラマを
作った。
ドラマの内容については、私も異論はあるが、やったことが偉いと思う。
挑戦したからですよ。
NHKでしか出来ないから、NHKがやった。それが偉い。
自覚があるということ。
「武蔵」だって、NHKの大河という自覚を持って、挑戦して欲しいよね。
私も黒沢は大好きで、中でも「七人の侍」は最も好きだけど、
でも永遠にお手本じゃ同じ職業人としてまずくないですか? 
あれは土台なんですよ。誰かがそれを追い抜かないと。
大河のスタッフには、自分がそれをやってやるって、思って欲しいわけで
すよ。それだけのポジションにいるわけなんだから。
黒沢をパクって、ばれたらゴメンナサイなんて、自分がかつて目指した
番組がそんな体たらくでは、実に悲しい。
大河は、かつて、私の師匠が名を成した番組でもあるんですよ。
穢さないで欲しいですね。
……さて、これでもう私のNHKの仕事は無くなった。
でもね、脚本の鎌田敏夫さんは、きっと楽しんだと思う。
ニヤニヤワクワクしながら「七人の侍」を元にして書いていたと思う。
大先輩だが、ライターとしてその気分はとってもよく判る。
そういう時は「七人の侍」のファンになっちゃってたんでしょうね。
だからさ、最初からやるよって言っとけば良かったんだよ。
今さ、コラボレーションとかなんとか、弁解したり自己弁護したり
自分を正当化したりするのに便利な言葉がいっぱいあるんだからさ。

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